恋のカルテ
でも、今日は水曜日。比較的早く帰ってくる曜日ではある。
私の初出勤祝いをする約束をしていたけれど、どうだろう。
「とにかく夕飯は作って待たないと」
私は電車を降りると自宅近くのスーパーに立ち寄った。
カートにカゴをのせて、まず果物とサラダに使う野菜を選んだ。
「メインは何にしよう」
ひとりでぶつぶつといいながら精肉売り場で足を止める。
ハンバーグかステーキか、それともビーフシチューか。どれも捨てがたくて決められない。
散々悩んだ挙句、合挽肉に手を伸ばす。
「……どうせ作るならハンバーグがいいかな。圭人の好物だし」
喜ぶ顔を想像して、思わずにんまりとしてしまった。
自分の初出勤祝いだと言うのに、結局圭人優先なんだから笑える。
それくらい私は、圭人のことが好きだと言うことだろう。