恋のカルテ
やがて私に投げかけられたのは、耳を疑いたくなる言葉。
「……別れてくれないか」
「冗談、だよね……圭人」
「冗談じゃない」
そういいながらも圭人は私を見ようとはしない。
背中をむけたまま、パソコンの画面を見つめている。
「うそ、やだよ。別れたくなんてない」
私は圭人の傍に駆け寄ってしゃがむと、彼の左腕を掴む。
「もしかして、今日も帰りが遅かったから、怒ってるの? そうでしょ?そうだよね、圭人」
いいながら何度も腕を揺すった。
すると圭人は掴んでいた腕を振り上げる。