恋のカルテ

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「……どうしたらいいんだろ?」

圭人に言われるがまま家を出てきたものの、行く当てなんてなかった。

夜空に浮かんだ半分の月を見上げて、私はため息を吐く。

突然連絡をしても受け入れてくれるような親しい友達は、大学卒業後みんな地元に戻ってしまっている。

とにかくどこかで落ち着こうにも、私はファストフード店やファミレスなんかにひとりで入るのが苦手だ。

子供みたいだとよく笑われた。

別に気にしてはいなかったけど、こんな時に困るなんて、今更思い知った。

ホテルにでも泊まろうかと考えては見たけれど、金銭的な事情も考慮して病院へと足を向けた。

これからしばらくは仮眠室に泊まって、職員寮にでも入れてもらおう。

今の私には、それくらいのことしか思いつかない。

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