砂の国のオアシス
13
「バン・・・何?」
そういえばそういう単語を、空港のオジサンが言ってたような気がする。
それにカイルも車の中で言ってた気が・・・。
「バンリオナはQueenのことだが、この場合はqueen consortの方だな」
「・・・・・・・・・はいっ?」
あー・・・ということは、そういうことで。
少なくとも「囚人」とか「罪人」って意味じゃなくて良かった。
じゃなくって!
それってつまり・・・どういう意味ですかっ!!
すっかり泣き止んだ私は、驚きで目をパチパチさせながら、キリリと真面目な顔をしているカイルを見ていた。
「ナギサ」
「は、い・・」
「Marry me」
・・・この人って、プロポーズまで命令口調なんだー。
さすがは俺様国王だよねー・・・。
なーんて感心している場合じゃないっ!!!
プロポーズされたの、私だし!!!
私は「そそそそそんなっ!!そ・・・んな・・・できませんっ!!!」と、どうにか断りの返事をすると、逞しいカイルの胸板をドンと突いた。
でも思ったとおり、カイルはその程度じゃあビクともしない。
代わりに私の両手首を掴んで、私を睨みつける。
カイルって、向かい合わせで寝ていても、私を斜め上から睨むんだ・・・。
「ほう?できない?」
「いやだって!私、ほんの数か月前まで、女子大生としてごく普通に過ごしてきたんだよ?そんな私がいきなり・・・王妃とか!あはっ。あはははーっ」
と笑う私の声が、周囲にむなしく響く。
それに、こんな反論くらいで、この俺様国王が聞き入れるわけがない・・・よね。
あぁもう・・・お互い裸で向かい合いながら、こんな話題を繰り広げることになるなんて!
「なぜだ」
「なっ、なぜって・・日本では未成年で結婚するとき、親や保護者の同意がないと結婚できないもん!」
咄嗟に思いついたことを言ったけど、これは事実だし。
でもこっちの世界のIDは作ってもらったけど、私の戸籍はないし。
そもそも戸籍というものがあるかどうかも知らないし、何よりこっちには両親すらいない。
てことは、結婚できない、イコール私・・・どうなるの?
王宮から追い出される?
どこかへ売り飛ばされる・・・ことはさすがにしないだろうけど、カイルのことだ。
「好きに生きろ」と言って、私を道端に捨てるかも・・・。
その様子がとてもリアルにイメージできてしまった私は、幻想を断ち切るように、ギュッと両目をつぶった。
怖い。
けどここで泣くわけにはいかない。
目の前にいるこの人に、弱気なところを見せたくない。
「ならば、おまえが成年に達すれば、親の同意がなくても結婚できるということだな?」
「・・・え?」
意外なカイルの質問と、優しい・・というか、いつもの尊大さがほんの少しなくなった声音に、つい目を開けて目の前にいるこの人を見た。
「どうなんだ」
「あ・・うん」
「成年というのは何歳からだ」
「は、20歳、です」
「ということは後・・・9カ月程だな」と言うカイルは、満足そうな顔をしている。
「あの、カイル」
「なんだ」
「それでも私はあなたと結婚はできない・・・できません」
「・・・なぜだ」
「日本では誰も重婚できないの。それに重婚している人とは結婚できない。法律で禁止されてるの。仮にそれがなくても私・・・私は、他の美人さんたちと・・・あなたの妻の一人って立場は、い、いやだ、から・・・だから、そのときはわた・・わたしを、遠慮なく追い出してほし・・・」
最後まで言い終わらないうちに、カイルが私を抱きしめた。
泣いてる私をあやすように、背中をなでる手つきは、とても優しい。
こんなの・・俺様っぽくない。
けど、とてもカイルらしい。
「なぜ悲しそうに泣く」
「だ、だって・・・うぅ・・」
「どうやらおまえは俺と離れることが余程嫌らしいな」
「・・・いじわる」
それを証明するかのように、カイルがフッと笑った。
吐息が私の髪を優しくくすぐる。
カイルの胸毛を引っ張ってやろうかと思ったけど・・・やめた。
「国王(リ)の重婚は義務ではないし、俺は歴代の国王のように、複数の妻を持つ気はない。しかし、跡継ぎとなる子を残す義務はある。ナギサ」
「は、い・・・」
「俺と結婚した後で良い。俺との子をたくさん生め」
「なにそれ。また命令口調・・・」
「それまでおまえは俺の女だ」
「カイル・・・」
「他の女などいらん。俺の傍におまえがいればそれで良い」
もうこの人、命令口調なくせに、何気にロマンチックなこと言ってるって分かってるのかなあ。
でもその口調はカイルらしくて、私の心までジンと響いてる。
今、カイルはそう言ってくれたけど、気が変わってどこかの美人さんとあっさり結婚するかもしれないし、私に飽きたらサッサと捨てると思う。
それでもいい。
泣いた直後だから、顔が引きつってるかもしれないけど、私はどうにか笑顔を作ってうなずくと、「うん」と答えた。
異世界から来たよそ者とか、行き場がないとか、知ってる人がいないとか。
とにかくいろいろあるけど、そういうことより今は、カイルの傍にいたい。
できる限り永く・・・ううん、できればずっと。
だって私は、カイルのことが好きだから。
それからどれくらい経ったのか分からないけど、私は眠っていたらしい。
ハッとして目が覚めたとき、なぜか身動きが取れなかった。
「どうした、ナギサ。鼓動が早いぞ。悪夢でも見たか」
「あ・・・覚えて、ない」
この声。
そして私の背中にピッタリくっついているのは・・・カイルだ。
しかも私の左胸を大きな手でがっしり・・・包み持ってるから、心臓が早鐘打ってるって分かるよね!
夢を見たのは覚えているけど、どんな夢を見たのかは覚えてない。
そんなことを考えていたら、カイルが「こっちを向け」と催促しながら、私を自分の方へ向かせた。
まったく・・・強引だなぁ、俺様国王は。
「ん・・・」
「Good morning、Nagisa」
「あ・・・もう、朝なんだ、ってちょっとカイル!」
「なんだ。まだ出発まで時間は十分ある」
自分の方へ向かせた途端、唇に濃厚なキスをしてきただけじゃあ足りないらしい。
カイルはそのまま私の体中にキスし始めた。
「いっ・・」
「痛いか」
「少しだけ。ひげがチクチクする」
「滑らかなおまえの肌が赤くなってしまった。今に始まったことではないが」
「カイルは・・・私より毛深くて、かたいね・・んんっ」
ローションを塗ってもらっても、やっぱり最初の挿入は痛キツい。
「小柄なおまえは俺のを受け入れるのも・・・一苦労だな。痛いか」
「だいじょぶ・・・」
回を重ねるごとに、痛みの度合いや痛む時間は少なくなっているのは確かだ。
それに、痛くても相手がカイルなら構わない。
他人事のような口ぶりで言いつつ、自分が痛くしてないか気遣ってくれるし、私が痛いと言えば、すぐにやめてくれる。
俺様なのに、実はとても優しい人、それがカイルだ。
「カイル・・・」
手を伸ばしてカイルを引き寄せると、カイルがキスをしてくれた。
でもそのまま急に私を抱き起こすから、ビックリしてしまった。
「うわっ!?ちょちょ・・」
「風呂に入ろう」
「は?ってちょっとわあっ!」
カイルは私を抱っこしたまま、器用にベッドから出ると、そのままスタスタとラクーに歩き始めた。
でも大きくなってるカイルが、まだ私の中に入ってる状態で歩かれると・・・。
「どうやらおまえは、これも感じているようだな」
「か、カイル・・・」
「濡らしても構わん。だが・・・俺を離すなよ」
「う・・・」
突かれているわけでもないのに、歩くときの揺れが、私にとっては微妙で絶妙で。
カイルのを離さないように、中でギュッと締めてるのが自分でも分かって、それにまた感じてしまう。
部屋にあるバスルームまで、そんなに距離はなかったと思うのに、やっと浴槽に浸からせてもらったとき、すでに私は軽くイっていた。
「昨夜はおまえと風呂に入るのを、楽しみにしていたのに・・・とんだ邪魔が入ったからな・・・」
そう言いながら、カイルはすぐに激しく動き出した。
あぁすごい。
カイルの先端が、私の奥に当たっているのがよく分かる。
コツンって音まで聞こえてきそう・・・。
あぁ、リズムに合わせてバシャバシャ跳ねるお湯の音が、すごくエロく響いてる。
それに中が熱いのは、ローションのせい・・・だけじゃないよね。
カイルのもすごく大きくて、熱くて、私もいっぱい濡れてて・・・。
そういうこと考えただけで、感じてきちゃう・・・。
「ナギサ・・・俺はもう・・・イきそうだ・・・」
「うん・・・わたし・・・はっ、あぁ!カイルッ!!」
私は大人の女だと、今この瞬間、強く実感した。
そういえばそういう単語を、空港のオジサンが言ってたような気がする。
それにカイルも車の中で言ってた気が・・・。
「バンリオナはQueenのことだが、この場合はqueen consortの方だな」
「・・・・・・・・・はいっ?」
あー・・・ということは、そういうことで。
少なくとも「囚人」とか「罪人」って意味じゃなくて良かった。
じゃなくって!
それってつまり・・・どういう意味ですかっ!!
すっかり泣き止んだ私は、驚きで目をパチパチさせながら、キリリと真面目な顔をしているカイルを見ていた。
「ナギサ」
「は、い・・」
「Marry me」
・・・この人って、プロポーズまで命令口調なんだー。
さすがは俺様国王だよねー・・・。
なーんて感心している場合じゃないっ!!!
プロポーズされたの、私だし!!!
私は「そそそそそんなっ!!そ・・・んな・・・できませんっ!!!」と、どうにか断りの返事をすると、逞しいカイルの胸板をドンと突いた。
でも思ったとおり、カイルはその程度じゃあビクともしない。
代わりに私の両手首を掴んで、私を睨みつける。
カイルって、向かい合わせで寝ていても、私を斜め上から睨むんだ・・・。
「ほう?できない?」
「いやだって!私、ほんの数か月前まで、女子大生としてごく普通に過ごしてきたんだよ?そんな私がいきなり・・・王妃とか!あはっ。あはははーっ」
と笑う私の声が、周囲にむなしく響く。
それに、こんな反論くらいで、この俺様国王が聞き入れるわけがない・・・よね。
あぁもう・・・お互い裸で向かい合いながら、こんな話題を繰り広げることになるなんて!
「なぜだ」
「なっ、なぜって・・日本では未成年で結婚するとき、親や保護者の同意がないと結婚できないもん!」
咄嗟に思いついたことを言ったけど、これは事実だし。
でもこっちの世界のIDは作ってもらったけど、私の戸籍はないし。
そもそも戸籍というものがあるかどうかも知らないし、何よりこっちには両親すらいない。
てことは、結婚できない、イコール私・・・どうなるの?
王宮から追い出される?
どこかへ売り飛ばされる・・・ことはさすがにしないだろうけど、カイルのことだ。
「好きに生きろ」と言って、私を道端に捨てるかも・・・。
その様子がとてもリアルにイメージできてしまった私は、幻想を断ち切るように、ギュッと両目をつぶった。
怖い。
けどここで泣くわけにはいかない。
目の前にいるこの人に、弱気なところを見せたくない。
「ならば、おまえが成年に達すれば、親の同意がなくても結婚できるということだな?」
「・・・え?」
意外なカイルの質問と、優しい・・というか、いつもの尊大さがほんの少しなくなった声音に、つい目を開けて目の前にいるこの人を見た。
「どうなんだ」
「あ・・うん」
「成年というのは何歳からだ」
「は、20歳、です」
「ということは後・・・9カ月程だな」と言うカイルは、満足そうな顔をしている。
「あの、カイル」
「なんだ」
「それでも私はあなたと結婚はできない・・・できません」
「・・・なぜだ」
「日本では誰も重婚できないの。それに重婚している人とは結婚できない。法律で禁止されてるの。仮にそれがなくても私・・・私は、他の美人さんたちと・・・あなたの妻の一人って立場は、い、いやだ、から・・・だから、そのときはわた・・わたしを、遠慮なく追い出してほし・・・」
最後まで言い終わらないうちに、カイルが私を抱きしめた。
泣いてる私をあやすように、背中をなでる手つきは、とても優しい。
こんなの・・俺様っぽくない。
けど、とてもカイルらしい。
「なぜ悲しそうに泣く」
「だ、だって・・・うぅ・・」
「どうやらおまえは俺と離れることが余程嫌らしいな」
「・・・いじわる」
それを証明するかのように、カイルがフッと笑った。
吐息が私の髪を優しくくすぐる。
カイルの胸毛を引っ張ってやろうかと思ったけど・・・やめた。
「国王(リ)の重婚は義務ではないし、俺は歴代の国王のように、複数の妻を持つ気はない。しかし、跡継ぎとなる子を残す義務はある。ナギサ」
「は、い・・・」
「俺と結婚した後で良い。俺との子をたくさん生め」
「なにそれ。また命令口調・・・」
「それまでおまえは俺の女だ」
「カイル・・・」
「他の女などいらん。俺の傍におまえがいればそれで良い」
もうこの人、命令口調なくせに、何気にロマンチックなこと言ってるって分かってるのかなあ。
でもその口調はカイルらしくて、私の心までジンと響いてる。
今、カイルはそう言ってくれたけど、気が変わってどこかの美人さんとあっさり結婚するかもしれないし、私に飽きたらサッサと捨てると思う。
それでもいい。
泣いた直後だから、顔が引きつってるかもしれないけど、私はどうにか笑顔を作ってうなずくと、「うん」と答えた。
異世界から来たよそ者とか、行き場がないとか、知ってる人がいないとか。
とにかくいろいろあるけど、そういうことより今は、カイルの傍にいたい。
できる限り永く・・・ううん、できればずっと。
だって私は、カイルのことが好きだから。
それからどれくらい経ったのか分からないけど、私は眠っていたらしい。
ハッとして目が覚めたとき、なぜか身動きが取れなかった。
「どうした、ナギサ。鼓動が早いぞ。悪夢でも見たか」
「あ・・・覚えて、ない」
この声。
そして私の背中にピッタリくっついているのは・・・カイルだ。
しかも私の左胸を大きな手でがっしり・・・包み持ってるから、心臓が早鐘打ってるって分かるよね!
夢を見たのは覚えているけど、どんな夢を見たのかは覚えてない。
そんなことを考えていたら、カイルが「こっちを向け」と催促しながら、私を自分の方へ向かせた。
まったく・・・強引だなぁ、俺様国王は。
「ん・・・」
「Good morning、Nagisa」
「あ・・・もう、朝なんだ、ってちょっとカイル!」
「なんだ。まだ出発まで時間は十分ある」
自分の方へ向かせた途端、唇に濃厚なキスをしてきただけじゃあ足りないらしい。
カイルはそのまま私の体中にキスし始めた。
「いっ・・」
「痛いか」
「少しだけ。ひげがチクチクする」
「滑らかなおまえの肌が赤くなってしまった。今に始まったことではないが」
「カイルは・・・私より毛深くて、かたいね・・んんっ」
ローションを塗ってもらっても、やっぱり最初の挿入は痛キツい。
「小柄なおまえは俺のを受け入れるのも・・・一苦労だな。痛いか」
「だいじょぶ・・・」
回を重ねるごとに、痛みの度合いや痛む時間は少なくなっているのは確かだ。
それに、痛くても相手がカイルなら構わない。
他人事のような口ぶりで言いつつ、自分が痛くしてないか気遣ってくれるし、私が痛いと言えば、すぐにやめてくれる。
俺様なのに、実はとても優しい人、それがカイルだ。
「カイル・・・」
手を伸ばしてカイルを引き寄せると、カイルがキスをしてくれた。
でもそのまま急に私を抱き起こすから、ビックリしてしまった。
「うわっ!?ちょちょ・・」
「風呂に入ろう」
「は?ってちょっとわあっ!」
カイルは私を抱っこしたまま、器用にベッドから出ると、そのままスタスタとラクーに歩き始めた。
でも大きくなってるカイルが、まだ私の中に入ってる状態で歩かれると・・・。
「どうやらおまえは、これも感じているようだな」
「か、カイル・・・」
「濡らしても構わん。だが・・・俺を離すなよ」
「う・・・」
突かれているわけでもないのに、歩くときの揺れが、私にとっては微妙で絶妙で。
カイルのを離さないように、中でギュッと締めてるのが自分でも分かって、それにまた感じてしまう。
部屋にあるバスルームまで、そんなに距離はなかったと思うのに、やっと浴槽に浸からせてもらったとき、すでに私は軽くイっていた。
「昨夜はおまえと風呂に入るのを、楽しみにしていたのに・・・とんだ邪魔が入ったからな・・・」
そう言いながら、カイルはすぐに激しく動き出した。
あぁすごい。
カイルの先端が、私の奥に当たっているのがよく分かる。
コツンって音まで聞こえてきそう・・・。
あぁ、リズムに合わせてバシャバシャ跳ねるお湯の音が、すごくエロく響いてる。
それに中が熱いのは、ローションのせい・・・だけじゃないよね。
カイルのもすごく大きくて、熱くて、私もいっぱい濡れてて・・・。
そういうこと考えただけで、感じてきちゃう・・・。
「ナギサ・・・俺はもう・・・イきそうだ・・・」
「うん・・・わたし・・・はっ、あぁ!カイルッ!!」
私は大人の女だと、今この瞬間、強く実感した。