砂の国のオアシス
10
「簡単に言えば、俺が身内であるジグラスを贔屓にしたから、人々がジグラス側へ賛同し、結果アルージャは滅んだと思っている」
「それ・・・完全な言いがかりじゃないの」
てか、そういう考えしか持てないから、その人は結局自爆しちゃったんじゃないの?
小娘な私でもその辺は分かるのに・・・。
「その通りだ。俺はジグラスが我が妹であるエミリアの夫だから、和平交渉の場を設けたのではない。俺はあれの考えに賛同したから、一国王として、近隣諸国のよしみで協力をしているだけだ。仮にジグラスがルイのような独裁的な考えで国を統治すると分かれば、いくら身内でも、たとえ親友でも、俺は容赦はせん。イシュタール王国の国王(リ)としてイシュタールの民を護る。我が王国を脅かすのであれば、誰であろうとそれ相応の制裁を下す」
カイルがそう言うなら絶対そうする。
私はカイルに賛成だと言う代わりに、コクンとうなずいた。
「国王(リ)である限り、いわれのない恨みを買うことはままある。しかし、今回は度が過ぎている」
「というと・・・?」
「イングリットは一時期アルージャに住んでいたことがある。そこでルイ・バンドムと繋がりがあった」
「・・・・・・え」
その時私は、「イングリット・デルボーを信頼するな」と言ったエイチさんの言葉を思い出した。
「ルイを盲信しているイングリットの計らいで、奴の妻子はイングリットの親戚筋の世話になっている」
「な・・・うそ」
「エイチの情報だ。信頼して良い」
「あ!いや、そういう意味じゃなくて!」
なんてこと!
あんなに優しそうなイングリットさんが・・・?
信じられない、という気持ちもあるけど、実のところ私はイングリットさんとは普段、ほとんど関わりがないし、あの人がどういう思想の持主なのかも知らないわけで・・・。
「はじめ奴らは、ジグラスとエミリアを手にかけるつもりだったが、それだとあからさま過ぎる。それにルイにはあれらの鉄壁を破る権力を、あの場ではもう持っていない。しかし、独房にいるルイ自身は直接手を下せずとも、あれを盲信し、密かに賛同し続けている者たちは国外にもいる。それも俺を逆恨みするのに拍車をかけているのかもしれん」
「誰かに責任なすりつけたいんだね」
「そうだな」とカイルは言うと、フッと笑った。
でもその顔は少し疲れて見える。
私は思わずカイルの頬にそっと手を当てた。
「ナギサ」
「はい」
「イングリットは俺ではなく、おまえを狙っている」
「・・・え」
カイルの頬に乗せていた私の手がビクッと震えた。
すかさずカイルはなだめるように、私の手に自分の手を重ね合わせる。
「俺を狙うだけでは飽き足らないのか、俺が大切にしている者にまで手をかけようとする。まさにひねくれ者のルイが考えそうな事だ」
「そ・・・ぅ」
「今のところ、俺が把握している裏切者はイングリットだけだ」
「じゃあウィンは・・」
「あれにはイングリットの見張りを頼んでいる」
「そんな・・・!ウィンのお母さんなのに?」
「だからだ」
「う・・・」
その理論は分からないでもないけど・・・つらい。
目を伏せた私に、「ウィン自身が見張りをさせてほしいと頼んできた」とカイルが言った。
「え」
「母は自分を信頼している。だから自分が適任だと」
「そぅ・・・」
「寝返る危険があるし、母親に情をかけるかもしれんから止めておけとエイチからは言われたが、俺はウィンを信頼している。だから俺はあれの忠誠心を信頼する方に賭けた」
「うん・・・あなたがそう言うなら大丈夫だよ」
私はカイルのすみれ色の瞳を見てそう言いきると、カイルは安心したように微笑んでくれた。
「正直に言うと、今の王宮内は危険だ。イングリットの他にも裏切者がいる可能性は高い。故におまえをここから出すべきなのかもしれん。しかし・・・」
「いや!」
思った以上に大声を出してしまった。
でも、今湧き出る気持ちが大きな声を出させてるって、自分でも分かってる。
「ナギサ?」
「私、あなたの足手まといにならないように、あなたやエイチさんの言うことをちゃんと聞く。それに町にも裏切者が潜んでいる可能性があるでしょ?だから私を王宮(ここ)から追い出さないで!あなたのそばにいさせてよ・・・」
こらえきれなくて、泣きながら私はカイルの逞しい胸板に抱きついた。
「・・・ら。わた・・し、あなたを護るから。うっ、うぅ・・」
カイルの手が私の背中に回された。
離される、と思った私はもっとギュッとしがみつく。
だけどカイルは離すどころか私を抱きしめてくれただけじゃなく、大きな手で私の頭を優しく撫でてくれた。
「過去何度かここから逃げ出したり、大学の寮へ行くと言った者の発言とは思えんな」
「あれから寝言でも言ってない・・よね?」
「言っていない。それにおまえはそんな華奢な体でこの俺を護れるとでも思っているのか」
「もっちろん!あなたに護られてる私は強いから。それに誰があなたを護るの?私しかいないでしょ」と言うと、カイルの手に力がグッとこもった。
「・・・今のおまえは際限なく俺を煽り続けていると分かっているのか」
「・・・I love you,Kyle。だから私のそばにいて、ぅんんんっ!」
突然カイルに顔を上向かされたと思ったら、唇と舌で濃厚なキスを見舞われてしまった。
「も、もう、ふいうち・・・」
「俺は出す“べきかもしれん”と言っただけで、“追い出す”とは言っていない」
「あ・・・そう、だっけ?」
「大体この俺が、おまえをそう簡単に手放すと思っていること自体、非常に心外だ」
「あぁ・・・ごめーん。ははっ」
面白がる口調は、まさに「俺様国王、ここにあり!!」って感じ満載なのに、私の頭を撫でる手つきはどこまでも優しい。
これこそカイルらしい。
と思ったら、またキスされた。
「案ずるな。俺はおまえのそばにいる」
「うん」
「おまえのことは俺が護る」
「うん・・・」
カイルの手がシャツの中に入ってきた。
「だからナギサ・・・俺のそばにいろ」
「う・・・んっ」
「アイシテル、ナギサ」
「あぁ・・・ぅん、わた・・しも・・・」
「グラ・ドゥ・・・ナギサ」
あ。「グラ・ドゥ」の意味・・・やっとカイルが教えてくれた。
・・・今の私は、自分より大きくて逞しいあなたを護れるほど強いんだよ。
だって私はあなたを愛しているから。
そしてあなたに愛されているから。
私は上にいる愛しい人に「グラ・ドゥ、カイル」と何度も何度も言った。
エイチさんとカイルの言うことをちゃんと聞いているおかげか、何事もなく時は過ぎ、ついにジェイドさんとテオの結婚式の日がやって来た!
「ヒルダさぁん」
「なんでございましょう、ナギサ様」
「これ、着なきゃダメなの?」
精一杯の抵抗と言わんばかりの懇願顔でヒルダさんに聞いてみた。
もしこの場に俺様国王がいたら、もちろんご本人にお尋ねしてます、ええ。
でもカイルってば、私が難癖示すの分かってるからか、サッサと別室に行っちゃったし。
「そうでございますね。しかし“これでも紫の配分は抑えさせた。だから着ろ”とカイル様が仰っておいででしたよ」
「うぅ・・・」
確かに。
このドレスは布ベルトだけ紫色で、後はカイルの髪よりもう少し白に近いベージュだ。
てかさっきのヒルダさん、カイルの伝言部分、言い方も斜め上目線も、あの人そっくりだったよ!
それで気が抜けたのか、降参した私は、カイルからもらったドレスを着た。
「んまあっ!とってもお似合いでございますよ、ナギサ様っ!!」
今にも飛びかかってきそうないつもの勢いでヒルダさんはそう言うと、私の髪をセットしたり、ちょっぴりメイクまでしてくれた。
ヒルダさんのことだから、一体どういじられるのか・・・全く不安じゃなかったと言えば嘘になる。
けど、鏡に映る出来上がった私は、自分で言うのもなんだけど、ステキに変身してると思った。
それからすぐ来てくれたカイルにも褒められたし。
カイルは、私に髪飾りをつけてくれた。
紫の生花を1輪。
あ・・ここでも何気に紫・・・と思ってしまったけど、布ベルトとおそろいの色したお花はとてもキレイだし、何よりカイルがつけてくれたものだから、外すなんて子どもじみたことはしなかった。
それに、きらびやかなネックレスといった装飾品より、生花一輪の髪飾りを選んでくれたカイルは、私のことをよく分かってるなと思ったし。
「この花言葉を知っているか」
「さあ。見るのも初めてだし」
「そうか」と言ってフッと笑ったカイルが映る鏡に向かって、私は「教えて」と言ってみた。
「You’re mine」
そう言ったカイルは、むき出しになってる私の肩に口をつけると、吸いつくようにキスをした。
「あっ、やめ・・!」
痕ついちゃうから!
それに腕、ゾクゾクして鳥肌立っちゃってるし!
胸だって・・・・。
カイルは鏡越しにニヤッと笑うと、すぐキスをやめてくれた。
たぶん、カイル自身のため、いやお互いのために。
時間ないもんね、いろいろ。
でも肩にキスマークついてるし!!
「・・・やっぱりお花、外そうかな」とつぶやいたとき、すごい形相でカイルに睨まれた!
「ごめん!つける!つけておきますっ!!」
「当然だ。今日おまえは俺のものだと公に示す日だからな」
「あのぅ・・・今日はジェイドさんとあなたの弟の結婚式・・・」
「行くぞ」
「・・・はぁい」
やっぱりこの言葉も、俺様国王に完全無視された。
「それ・・・完全な言いがかりじゃないの」
てか、そういう考えしか持てないから、その人は結局自爆しちゃったんじゃないの?
小娘な私でもその辺は分かるのに・・・。
「その通りだ。俺はジグラスが我が妹であるエミリアの夫だから、和平交渉の場を設けたのではない。俺はあれの考えに賛同したから、一国王として、近隣諸国のよしみで協力をしているだけだ。仮にジグラスがルイのような独裁的な考えで国を統治すると分かれば、いくら身内でも、たとえ親友でも、俺は容赦はせん。イシュタール王国の国王(リ)としてイシュタールの民を護る。我が王国を脅かすのであれば、誰であろうとそれ相応の制裁を下す」
カイルがそう言うなら絶対そうする。
私はカイルに賛成だと言う代わりに、コクンとうなずいた。
「国王(リ)である限り、いわれのない恨みを買うことはままある。しかし、今回は度が過ぎている」
「というと・・・?」
「イングリットは一時期アルージャに住んでいたことがある。そこでルイ・バンドムと繋がりがあった」
「・・・・・・え」
その時私は、「イングリット・デルボーを信頼するな」と言ったエイチさんの言葉を思い出した。
「ルイを盲信しているイングリットの計らいで、奴の妻子はイングリットの親戚筋の世話になっている」
「な・・・うそ」
「エイチの情報だ。信頼して良い」
「あ!いや、そういう意味じゃなくて!」
なんてこと!
あんなに優しそうなイングリットさんが・・・?
信じられない、という気持ちもあるけど、実のところ私はイングリットさんとは普段、ほとんど関わりがないし、あの人がどういう思想の持主なのかも知らないわけで・・・。
「はじめ奴らは、ジグラスとエミリアを手にかけるつもりだったが、それだとあからさま過ぎる。それにルイにはあれらの鉄壁を破る権力を、あの場ではもう持っていない。しかし、独房にいるルイ自身は直接手を下せずとも、あれを盲信し、密かに賛同し続けている者たちは国外にもいる。それも俺を逆恨みするのに拍車をかけているのかもしれん」
「誰かに責任なすりつけたいんだね」
「そうだな」とカイルは言うと、フッと笑った。
でもその顔は少し疲れて見える。
私は思わずカイルの頬にそっと手を当てた。
「ナギサ」
「はい」
「イングリットは俺ではなく、おまえを狙っている」
「・・・え」
カイルの頬に乗せていた私の手がビクッと震えた。
すかさずカイルはなだめるように、私の手に自分の手を重ね合わせる。
「俺を狙うだけでは飽き足らないのか、俺が大切にしている者にまで手をかけようとする。まさにひねくれ者のルイが考えそうな事だ」
「そ・・・ぅ」
「今のところ、俺が把握している裏切者はイングリットだけだ」
「じゃあウィンは・・」
「あれにはイングリットの見張りを頼んでいる」
「そんな・・・!ウィンのお母さんなのに?」
「だからだ」
「う・・・」
その理論は分からないでもないけど・・・つらい。
目を伏せた私に、「ウィン自身が見張りをさせてほしいと頼んできた」とカイルが言った。
「え」
「母は自分を信頼している。だから自分が適任だと」
「そぅ・・・」
「寝返る危険があるし、母親に情をかけるかもしれんから止めておけとエイチからは言われたが、俺はウィンを信頼している。だから俺はあれの忠誠心を信頼する方に賭けた」
「うん・・・あなたがそう言うなら大丈夫だよ」
私はカイルのすみれ色の瞳を見てそう言いきると、カイルは安心したように微笑んでくれた。
「正直に言うと、今の王宮内は危険だ。イングリットの他にも裏切者がいる可能性は高い。故におまえをここから出すべきなのかもしれん。しかし・・・」
「いや!」
思った以上に大声を出してしまった。
でも、今湧き出る気持ちが大きな声を出させてるって、自分でも分かってる。
「ナギサ?」
「私、あなたの足手まといにならないように、あなたやエイチさんの言うことをちゃんと聞く。それに町にも裏切者が潜んでいる可能性があるでしょ?だから私を王宮(ここ)から追い出さないで!あなたのそばにいさせてよ・・・」
こらえきれなくて、泣きながら私はカイルの逞しい胸板に抱きついた。
「・・・ら。わた・・し、あなたを護るから。うっ、うぅ・・」
カイルの手が私の背中に回された。
離される、と思った私はもっとギュッとしがみつく。
だけどカイルは離すどころか私を抱きしめてくれただけじゃなく、大きな手で私の頭を優しく撫でてくれた。
「過去何度かここから逃げ出したり、大学の寮へ行くと言った者の発言とは思えんな」
「あれから寝言でも言ってない・・よね?」
「言っていない。それにおまえはそんな華奢な体でこの俺を護れるとでも思っているのか」
「もっちろん!あなたに護られてる私は強いから。それに誰があなたを護るの?私しかいないでしょ」と言うと、カイルの手に力がグッとこもった。
「・・・今のおまえは際限なく俺を煽り続けていると分かっているのか」
「・・・I love you,Kyle。だから私のそばにいて、ぅんんんっ!」
突然カイルに顔を上向かされたと思ったら、唇と舌で濃厚なキスを見舞われてしまった。
「も、もう、ふいうち・・・」
「俺は出す“べきかもしれん”と言っただけで、“追い出す”とは言っていない」
「あ・・・そう、だっけ?」
「大体この俺が、おまえをそう簡単に手放すと思っていること自体、非常に心外だ」
「あぁ・・・ごめーん。ははっ」
面白がる口調は、まさに「俺様国王、ここにあり!!」って感じ満載なのに、私の頭を撫でる手つきはどこまでも優しい。
これこそカイルらしい。
と思ったら、またキスされた。
「案ずるな。俺はおまえのそばにいる」
「うん」
「おまえのことは俺が護る」
「うん・・・」
カイルの手がシャツの中に入ってきた。
「だからナギサ・・・俺のそばにいろ」
「う・・・んっ」
「アイシテル、ナギサ」
「あぁ・・・ぅん、わた・・しも・・・」
「グラ・ドゥ・・・ナギサ」
あ。「グラ・ドゥ」の意味・・・やっとカイルが教えてくれた。
・・・今の私は、自分より大きくて逞しいあなたを護れるほど強いんだよ。
だって私はあなたを愛しているから。
そしてあなたに愛されているから。
私は上にいる愛しい人に「グラ・ドゥ、カイル」と何度も何度も言った。
エイチさんとカイルの言うことをちゃんと聞いているおかげか、何事もなく時は過ぎ、ついにジェイドさんとテオの結婚式の日がやって来た!
「ヒルダさぁん」
「なんでございましょう、ナギサ様」
「これ、着なきゃダメなの?」
精一杯の抵抗と言わんばかりの懇願顔でヒルダさんに聞いてみた。
もしこの場に俺様国王がいたら、もちろんご本人にお尋ねしてます、ええ。
でもカイルってば、私が難癖示すの分かってるからか、サッサと別室に行っちゃったし。
「そうでございますね。しかし“これでも紫の配分は抑えさせた。だから着ろ”とカイル様が仰っておいででしたよ」
「うぅ・・・」
確かに。
このドレスは布ベルトだけ紫色で、後はカイルの髪よりもう少し白に近いベージュだ。
てかさっきのヒルダさん、カイルの伝言部分、言い方も斜め上目線も、あの人そっくりだったよ!
それで気が抜けたのか、降参した私は、カイルからもらったドレスを着た。
「んまあっ!とってもお似合いでございますよ、ナギサ様っ!!」
今にも飛びかかってきそうないつもの勢いでヒルダさんはそう言うと、私の髪をセットしたり、ちょっぴりメイクまでしてくれた。
ヒルダさんのことだから、一体どういじられるのか・・・全く不安じゃなかったと言えば嘘になる。
けど、鏡に映る出来上がった私は、自分で言うのもなんだけど、ステキに変身してると思った。
それからすぐ来てくれたカイルにも褒められたし。
カイルは、私に髪飾りをつけてくれた。
紫の生花を1輪。
あ・・ここでも何気に紫・・・と思ってしまったけど、布ベルトとおそろいの色したお花はとてもキレイだし、何よりカイルがつけてくれたものだから、外すなんて子どもじみたことはしなかった。
それに、きらびやかなネックレスといった装飾品より、生花一輪の髪飾りを選んでくれたカイルは、私のことをよく分かってるなと思ったし。
「この花言葉を知っているか」
「さあ。見るのも初めてだし」
「そうか」と言ってフッと笑ったカイルが映る鏡に向かって、私は「教えて」と言ってみた。
「You’re mine」
そう言ったカイルは、むき出しになってる私の肩に口をつけると、吸いつくようにキスをした。
「あっ、やめ・・!」
痕ついちゃうから!
それに腕、ゾクゾクして鳥肌立っちゃってるし!
胸だって・・・・。
カイルは鏡越しにニヤッと笑うと、すぐキスをやめてくれた。
たぶん、カイル自身のため、いやお互いのために。
時間ないもんね、いろいろ。
でも肩にキスマークついてるし!!
「・・・やっぱりお花、外そうかな」とつぶやいたとき、すごい形相でカイルに睨まれた!
「ごめん!つける!つけておきますっ!!」
「当然だ。今日おまえは俺のものだと公に示す日だからな」
「あのぅ・・・今日はジェイドさんとあなたの弟の結婚式・・・」
「行くぞ」
「・・・はぁい」
やっぱりこの言葉も、俺様国王に完全無視された。