青に呑み込まれながら、ひたすら君を想う訳。


ひたすら棗を思おうと、彼は私を振り返ってはくれないだろう。


彼の目に映るのは、きっと――――



「俺、明後日から大会なんだ。

亜子は最近、大会とか記録会とかねぇの?」



ぼんやりと、隣に並ぶ、太陽のせいで縮まっている影をぼんやりと眺めていた。


そんな私の顔を覗き込みながら、話しかける。


ハッと顔を上げ、うーん、と小さく首を傾げた。



「あった、と思うよ。

うん、再来週辺りにあった・・・・・・はず」




< 5 / 18 >

この作品をシェア

pagetop