楓先輩大好きです!!!!!!
私の想い。あなたの想い。
「ファイトー!!!!!!」
「おぅう!!!!!!」
夏の蒸し暑い体育館に男バスの元気な声が響く。
「きゃ~~~♡楓先輩かっこいい~♡」
う………
またきた……!!!!!!
これが男バスの練習の日常です。
「っち。また楓目当てで練習妨害かよ!みずきちゃん!じゃまだから追い払って!!!!!!」
これも日常。
「は、はい!ただいま!」
勢いよくとびだしたのはいいけど、
ドッデーーーーン!!!!!!
周りになにもないか確認してからとびだそう。
「うぅ……いたたた……」
私は練習中に使う雑巾で滑って転けた。
練習中の皆は練習を止めて爆笑。
「みずきちゃん!何回目だよwww」
「天然もいいところだね!」
そう言ってクスクス笑っている先輩。
そのなかに1人だけ私のところにきて手を差し伸べてくれる人がいた。
「うん……捕まっていいから、早く追い払って。」
「きゃ~~楓先輩~~~」
私に手を差し伸べてくれたのは……
みんなの王子様(そう言われてるだけ)の松井 楓先輩。
私にとってはバスケがとってもうまいのは認めるけど……
無愛想で冷たい先輩です。
たまに優しいところはあるけど……。
私を先輩の手を掴んで起き上がった。
結構、体重をかけてみたのに先輩は余裕な顔をしていた。
でも、助けてもらったから
「ありがとうございます。」
お礼を言うと、
コクっと頷いてスタスタと練習に戻ってしまった。
全く女子に興味を持たない、逆に嫌ってるのに……
私は別なんだな……
とヘコんでしまう。
女子とも思ってもらえない、哀れなマネージャー。
あ、自己紹介遅れました!
私は男バスマネージャーの相川 みずき。高校一年生です。
男子に負けないぐらいの元気いっぱいな女の子です!よろしくお願いします。
「みずきなにしてんの?次なに?」
そこに幼なじみの圭太がやってきた。
圭太もそこそこイケメンで一年生のなかでモテるほうだ。
「あ、ご、ごめん。次は5対5!よろしく!」
そう言って走って女子のところへ向かい何度も何度も頭を下げてやっとのことで女子を追い払った。
私は少しでも役にたてたことがうれしくて1人で飛び跳ねていた。