【完】 Squall  ~いくつもの恋をして~



席に座り改めて隣の席の宮川くんと自己紹介をした。


「ずっと海外か。日本の知り合いいないの?」


「親戚はいるけど子どもの頃から会ってない。おばあちゃんが死んでから私は日本に遊びに来ることもなかったから10年は来てない」


「友だちもいないのか」


「うん」


宮川くんという人はとても優しい人だと思ったのを今でも覚えている。


「そんな頼る人もいないようなとこに1人で来て仕事するんだな。その度胸がかっこいいぜ。うんいいよ。」


ニカッと真っ白い歯を見せて輝くような笑顔だったのも憶えている。




そんな私とみやちが名コンビと言われるようになり


「おい、俺の英文あってるか見てくれ。」


クライアントへの返信の校正を私に頼む


出来る男らしいみやち。



もちつもたれつの関係でなんとか2年。


人と同じように過ごす生活も慣れてきた。





そして3年目を迎える春がやってきた。










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