【完】 Squall ~いくつもの恋をして~
「俺の前で、浅木が帰るのを止めてみろ。」
Kennyは楽しそうに課長を見ると親指を立て
「Liz、もう一杯だけ飲んでいかないか?」
私も、笑い出しそうなのを堪えたけれど
「歌にそった方がいいわけ?」
課長に聞いた。
大学の頃もよくこういう駆け引きのような遊びをしてきた。
当然遊びなわけでひとつのショーのようなものだ。
「いや、浅木の思いのままに。」
課長から返ってきた言葉に私はひとつ頷き
「今日は楽しかったわ。またお邪魔するわ。」
「こんな寒い中、帰せない。」
Kennyは私の手からバッグを取り上げて笑っている。
夏真っ盛りに寒いって…
もう笑いたくて仕方ない。