【完】 Squall ~いくつもの恋をして~
「理沙」
ママに呼ばれてリビングへ行くと
Kennyの写真を見せてくれた。
それは、同じように高校生の頃までの写真が何枚かあり
「ねぇ…なんで教えてくれなかったのよ」
「声かけてたわよ」
どうやら私のヒーローも今の恋愛に夢中な頃の私には
あとで暇な時に見るっていうぐらい興味の薄いものだったようだ。
忘れた事はないと思ってた自分を責めたいぐらいだ。
この事は口が裂けてもみやちには言えない。
当然kennyにも内緒だ。
「理沙、日本語で話すようになったのね」
「日本人だからね」
「ママはもう英語が多い。日本人なのにね」
「宇宙レベルで考えろってみやちが言ってたよ。そしたら同じ地球人だって」
「いいこと言うわね」
「それにしてもママの発音は未だに悪いね」
「そうなのよ…」
ママと顔を見合わせて笑いながら何となく幸せな気分に感じた。