【完】 Squall ~いくつもの恋をして~
出勤してきたみやちは、何考えてんの?っていうぐらい真黒に日焼けしていて
ワイルドさに磨きがかかっただろ?なんて言ってるから何も変わってないようだ。
お土産のコロンをあげると
「ワイルドな香りか?」
クンクンと香りを嗅いでいるからやっぱり何も変わっていない。
「俺のお手製だ」
みやちがくれたのは琉球ガラスというもので
ぶかっこうだけれど綺麗な赤いグラスだった。
「これさ、何でこんなに曲がってるの?」
「身体を曲げて飲め」
吹き出しながらこんな感じ?って横でやると
「まぁ合格だな」なんて笑っていた。
このグラスで飲むたびにみやちを思いだし
淋しさを感じないかもしれないと思うととっても嬉しかった。
「みやちありがとうね。ほんとに嬉しい」
「そんなに喜ばれると非常に困る」
久しぶりに2人で大笑いした。
お土産を片付けると休み前と変わらずに業務を開始する。