【完】 Squall ~いくつもの恋をして~
今さら当たり前の事を言っては困る。
ひらがなを書く事を覚束ない頃での父の海外転勤。
いきなりの英語の世界に子どもながらに戸惑った。
テレビを見ても本を見てもまったく意味がわからない。
子どもは言葉が通じなくても遊べるというが
自分の意思と反することも多く我慢する事が多かったのも事実。
ひらがなを覚えながらアルファベットも覚えた。
りんごと書きながらappleと一緒に覚える。
りんごの絵の横には
appleの文字と母の手書きのりんごの文字
英語の絵本と同じぐらいひらがなの絵本も読んだ。
取り寄せた日本語の教科書で漢字も勉強させられた。
ちっとも楽しくないそんな時間が楽しみになったのはkennyのお陰だ。
近くに住む日本人の家族でkennyは私の先生だった。
アニメを見るときは横で解説をしてくれた。
時々kennyもわからないようで
「ごめん。わからない」
照れくさそうに笑うkennyがかっこよかった。
そう 私の初恋そして永遠のヒーロー。