【完】 Squall ~いくつもの恋をして~
英会話なんて子どもだって簡単には覚えない。
違う生活に戸惑いだってある。
「Liz」
近くに住むおばあちゃんとはいつも笑顔だけの会話だった。
話しかけられても笑顔で答えることしかできなかった私。
それが急に違う名前で呼ばれて
「りさなのに…」
訂正すら出来ずに困惑して泣きそうな私に
「Lisaのニックネームだよ」
そう教えてくれたのもkenny
「ぼくも、ケントだけどkennyって呼ばれてるでしょ」
「うん」
「仲良くなりたいんだよ。Lisaが可愛いんだよ」
そう言ってくれたのがkennyだった。
それからは、子どもながらに一生懸命ボディーランゲージでおばあちゃんに伝えた。
ジェスチャーと言った方が正しいと思う。
伝わっているかどうかっていう事より
アメリカの人に受入れられたって気持ちが嬉しくて
私なりの愛情表現だったように思う。