【完】 Squall ~いくつもの恋をして~
濃くのある甘さが口いっぱいに広がり
喉を通った瞬間に身体中の熱を完全に呼び起こした。
「理沙」
課長の方を振り向けば
細くて長い綺麗な指先でつまんだバラの形のチョコレート。
小さく開けた口元へ甘いチョコが運ばれて
悪戯するかのように指先はそのまま私の唇の形をなぞる。
そんな誘惑をするような課長をみつめ
「But…Would you let me love you?」(でも…好きになってもいいの?)
優しい瞳に問いかければ
「I choose you.」(キミがいい)
絡められていた指から熱が引いていくのは
髪へと居場所をうつした課長の指先。
私の髪を撫でたあと自分の方へと引き寄せてそっと髪にキスを落とした。