【完】 Squall  ~いくつもの恋をして~



陶芸が終わればまた近くを見てまわり


日ごろの運動不足に祟られた足。


今日帰ろうかな…


それとももう一泊しようかな…。


この疲れた足は温泉が一番かな。



ホテル探しをする事に決めた時、


「理沙」


聞きなれた言葉が耳に届いた瞬間、後から抱きしめられて


胸元で交差している課長の腕で息苦しいぐらい。




私の心には驚きだけでもう怒りはない。


裏切ったとか

嘘ついたとか


そんな責め立てる気持ちは箱根が癒してくれて消え去った。


みやちの言うかっこいい女でいる事が私に力をくれている。



これでボストンへ心おきなく戻れると何となく整理もつけた。


淋しさとせつなさはまだ心の中にあるけれど


万能薬のみやちがいるから回復出来ると思える。







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