【完】 Squall ~いくつもの恋をして~
私の右の肩に顔を埋めるように
「理沙」
「理沙」
何度も耳元で木霊する声がくすぐったい。
「課長…仕事は?」
胸元で交差している課長の手をポンポンと叩きながら右に顔を向ければ
「俺も有休」
何とも大胆な課長の発言。
「ちょ…ちょっと離してもらえますか」
課長の腕を掴んで解こうとするけど余計に力が入って息苦しい。
「か…課長…苦しくて死んじゃいます」
本当に苦しい状況に気づいたようで
「ごめん」って力を弱めてくれたけど
そのまま私の肩をもってクルリと課長の方を向けまた力強く抱きしめた。