【完】 Squall ~いくつもの恋をして~
みやちに負担をかけたことはちゃんとわかる。
だから今日は私が片付けるから帰っていいよと定時で送りだした。
「お前の思惑は他にもあるだろ」
そう言われて不思議そうな顔をしていたんだろう。
「あぁ本当にそれだけか。悪い」
みやちは私の額をパチンと叩いて帰って行った。
和文のタイピングも速くなってきた。
漢字を書けと言われたらはっきりと無理と宣言するが
変換できればどうにかなるものだ。
チラッとみやちのデスクを見ればお土産に買った
黒卵のキャラがついたボールペンがペン立てにあったからにやついた。
使うたびにきっと何か不満をもらす。
それが想像できて何ともいえずに楽しみだ。
私のペン立ての中にも同じもの。
それを取りだし、みやちのペン立ての黒卵のキャラに
「お世話になりました」
しっかりと黒卵のキャラに頭をさげさせペン立てに戻し
「みやちって自分の恰好良さがわかってないよなー」
だけどそんなみやちがやっぱり大好きで
残った仕事を片付けようとまたキーボードに指を走らせた。