【完】 Squall  ~いくつもの恋をして~
・・・Hazy・・・


内線がなり第1の部長に呼ばれた。


「うはっ…またこっちに企画が流れてくるのかな。手が足りないよ」


電話を置いてぶつくさという私に


「握りつぶしてこい」


みやちが拳を振り上げて笑う。



フロアを出て第1のフロアへ行くと会議室を指さした。


「やっぱ来るのかぁ…」


残業残業だぁ…


ボヤキながら会議室へ入るとすぐに部長が入ってきた。



部長が座ったので私も前に座ると


「浅木、第2には慣れたか?」


「全然戦力にはなってませんが」


肩をすくめると


「そんな事はないぞ。課長はもちろん中村も上林も誉めてた。度胸がいい。斬新で思いもつかない発想を浮かべ一生懸命動くってな。浅木の企画はもういくつか通ってるよな」


「私のは叩き台になっただけで完成させるまでの過程は先輩達です。思っていたものより全然すごいものになってます」


「そりゃ経験の差だよな」


「はい」


「ボストンから浅木を戻せと連絡がきた」


「ボストン?」



ボストン…

ボストンに戻る?



嬉しいはずなのに頭の中が真っ白になった。






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