【完】 Squall ~いくつもの恋をして~
私はスマホを持つと課長にメールした。
4月からボストンと内示をうけた。
嬉しいのに泣きそうだよ。
送信するとポトンとデスクにスマホを落とし
知らない間に涙がポトリポトリと零れ落ちた。
先輩がデスクに戻ってくると
「どうした浅木、何かわからないか。見てやる」
私は首をふり
「ボストンに戻ることになった」
「え?もう?」
コクリと頷けば
「おいっ浅木がボストンに戻る事に決まったらしいぞ」
大きな声で言うから
「まじ?えーーーー」
「浅木―断れよ」
「ちょー淋しくなるじゃねぇかよ」
「浅木さん、決定なの?」
私は黙ってコクリと頷くと
「あさりはボストンにずっと戻りたかった。日本には家族も友だちも誰もいなくて1人で頑張ってたから。ずっとボストンに帰るのが希望だった」
みやちの声も何か震えてるからもっと涙が出た。