【完】 Squall ~いくつもの恋をして~
「おめでとうって言ってやらなきゃいけないな」
「おおぅ。おめでとう」
「浅木さん…おめでとう」
「ありがとうございます」
笑顔でこたえたいけど涙がどんどん零れた。
去年だったら嬉しい以外の何でもなかった。
先輩達にも本当によく教えていただいたし助けていただいた。
だけどそれもすべてボストンで仕事をする為のステップと思えていた。
今は違う。
課長の事も大きいけれど私は少しばかり日本に根を下ろした。
一歩二歩と踏み出していた。
ボストンへ戻ったらもう日本には戻ることはないかもしれない。
そう思うとここで知り合った人たちと別れることがとてつもない淋しさだ。
みやちにも逢えない。
淋し過ぎる。
せめて課長かみやちが一緒なら嬉しい気分かもしれない。
課長に言ったら激怒しそうだけどそれでもみやちとは宇宙レベルなんだ。