【完】 Squall ~いくつもの恋をして~
「理沙は気づいてないだけだ。同期の中でも理沙は優秀だ。言葉や環境のハンデがあっても成長が速い。」
「それ褒めすぎだって」
ビールが口から吹き出した。
「日本よりもっとキャリアを目指せるボストンへ行け」
「それは上司として?」
「上司として、恋人として両方だ」
少し無言の時間が流れたけれど、
「ボストンに行っても私の助けが必要だったら力貸すよ?」
クスッと笑えば
「誰に言ってんだ?」って額を小突く。
「私の大好きな人に言ってる」
言いながらも自分の導きだす答えがみつからなくて笑顔で誤魔化した。
一緒にいたい。
別れたくない。
それだけはわかっている。
それが出来るのか出来ないのか、私にはわからない。