【完】 Squall ~いくつもの恋をして~
みやちの視線が私へとうつり
「あさりは平気なのかよ。いつ戻るかわかんねぇんだぞ」
「みやち…」
みやちのその言葉の中に含まれた言葉がすべて私にはわかる。
ボストンには友だちがいる。
だけど職場にはいない。
同期がいても接触すらなかった間柄
新入社員と同じように右往左往しながらの生活だ。
当然助けてくれるみやちもいない。
優しく包んでくれる課長もいない中だ。
また1人生活をし仕事を続ける中で
愛する人の帰りを待つという覚悟ができているのか。
みやちはその覚悟が聞きたいんだ。
「みやち、私ね…気づいたんだよね」
「何を?」
「待ちきれないなら迎えに行けばいい」
笑顔で答えると
「あさり!やっぱりお前はかっこいい!」
今度は私とみやちがジョッキをぶつけあった。