【完】 Squall  ~いくつもの恋をして~


「私が偉くなって日本に異動願い出すの待ってて」


「おい、あさり…俺がボストンへの異動の可能性もあるぞ」


「みやちーー。それすごい待ってる。絶対に来て」


「理沙、俺が戻るより嬉しそうだな」


笑いながらも日本を離れる淋しさはこみあげる。



ずっと親しくなるのを回避してきたのは、この淋しさがわかりきっていたからだ。



ポロリと零れた涙を指で拭うと



「俺を迎えにきた方が速ぇぞ」


みやちが私の額を叩き


「そうかもしれないね。この際みやちでもいいか」


「でもよ…俺がボストンへ行ったらあさりに教わることばかりで対等じゃねぇな」


「いくらでも手伝うよ。今の私があるのはみやちのお陰。全部みやちのお陰だから。」


「風健、俺のお陰らしいぞ」


「あぁ。みやちのお陰だ」


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