【完】 Squall ~いくつもの恋をして~
立ち上がり
「浅木理沙です」と握手を求めれば
やはりクスッと笑って握手に応え
「小野田 隆司 入社5年目」
「衛藤 由美子 私は4年目」
同じ列にデスクを並べる先輩たちだった。
シャツを教えてくれた男も立ち上がり
「宮川千秋です。よろしくお願いします」頭を下げ
私も慌てて頭を下げた。
「挨拶の仕方も慣れるから大丈夫」
その言葉で自分のミスに気づき顔が赤くなるのが自分でもわかる。
「俺たちも向こうに行ったら同じように戸惑う。握手を求めることに慣れていないからな」
「そうよ。アメリカと日本、異動すれば誰もが戸惑うの。」
どうやら宮川くんと私の教育係のようだ。