リフレクター
(………ゾクッ)
背筋がゾッとした。
「さ………つ、き?」
口調は佐月そのものだが、声のトーンは桁違いに低いし、何より俺を見る笑顔が怖かった。
普段の佐月を言葉にするなら「歓喜」だが、今の佐月には「狂喜」が当てはまる。
「どうしたんだよ、佐t…」
「どうもしませんよ。ただただ楽しくなってきただけです」
楽しい?
何、いってんだ?
「これから殺し合いを始めるかもしれないって時に楽しいだなんて!」
いくら自分が関わって無いからって、無神経過ぎるんじゃないか?
「ふふっ相変わらず貴方はせっかちさんですねぇ。ゲームにはルールがちゃんと存在します。今すぐ殺し合いを始めようと言うのではありませんよ」
佐月は笑って言うが、それはつまり、いつかは必ず殺し合いが始まるということ。
「お前、本当に佐月なのか?」
「はい、私は確かに貴方の友人である佐月純ですよ。」
違う………明らかに雰囲気が違う。
でも、見た目はさっきとなにも変わっていない。
人格だけが変わった。
「まさか、お前。自分がゲームの統括者とか言うんじゃないだろうな?」
半信半疑どころか、9割は冗談だった。
「おや、よくご存じで。」
サラッと答えてんじゃねぇよ!!