リフレクター
「あ、あの!質問をかえる!」
「………。」
ここで質問を間違えたら死ぬよな、俺。
「え、と。………変態野郎って誰のこと?」
僅かな沈黙。
数秒後に口を開いた聡君は驚いた表情でこう告げた。
「このゲーム仕組んだやつに決まってるやん」
「な、名前ってさ、佐月 純?」
「は?大岩 貞治(さだはる)やし。何言うてるんよ。」
「じゃ、違う人なんだな。」
「違う人ってなんやねん。まさか、一人につき一人しか選ばれへんのか?」
明らかに怒りの表情に包まれてる聡君。
「詳しいことは知らないんだけど、俺にこのゲームの概要を説明した佐月は、自分がすべてを統括してるって言ってたんだ」
「………は!笑わしてくれるわ!」
え?
「ほんなら、ソイツ殺したらエエだけやないの。そしたら、このゲームは終わる。」
聡君は続ける。
「なぁ、アンタは殺し合いしたない言うたな?ソイツの居場所教えろや。」
「居場所っつーか、家の住所ぐらいしか」
「それでエエ。遠いんか?」
「いや、ここから歩いて10分も掛からない」
「ほんなら今から行くよって。待っとたるさかい、はよ仕度し。」
「あ、あぁ。」
(行くって、俺もかよ………。)
思わずそう思った。
が、どうせ眠れないのだ。
親もいないし、なんせ俺の命が掛かってるんだ。
(行くしかないな)
俺は覚悟をしながら素早く支度をするのだった。