お前のこと、一生かけて守るよ
「帰りは、ちゃんと送るから」
「え、大丈夫ですっ!もう暗いですし、先輩の帰りが心配です」

顔の前で両手を振り断ると、先輩の深い溜め息が、聞こえた。

「それ、俺のセリフだから」
「…え?」
「だから、暗い中お前を一人で帰すほうが心配だっつーの」

先輩は、大きな手であたしの頭にポンと置いたあと、そのままクシャッと撫でた。

「先輩っ!髪、髪がっ!」

慌てるあたしをよそに、先輩が同じ高さに目線を合わせた。

「理湖は、どんな理湖でも可愛いから」

もう、どんな顔をしていいか、わかんないよっ。

真剣な顔して、恥ずかしいことサラッと言って、あたしはどうしたらいいのっ。

「ほら、帰るぞ」
「は、はい…」

手を繋いでるから、先輩が歩けば嫌でも足が動く。
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