委員長に胸キュン 〜訳あり男女の恋模様〜
 相原君に近付き、彼を見ると、当たり前だけど目を閉じ、気持ち良さそうに眠っていた。マコトさんが言った通り、熱が出てる感じもなく、確かに看病は必要なさそうだ。

 私は部屋の真ん中にあるガラスのローテーブルの上に持ってきた勉強道具を広げ、コンビニで買ったお茶のペットを起き、クッションにペタンと座って勉強を始めた。

 相原君の微かな寝息以外、音らしい音は全くなく、エアコンは適度な室温を保ち、私はたちまち勉強に集中していった。もしかすると、自分の部屋でするより勉強がはかどったりして……


 気が付けば、3時間程が過ぎていた。我ながらよく集中してたと思う。そう言えば、相原君は……?

 立ち上がってベッドのそばへ行くと、彼はまだ眠っていた。まさか、息してるよね?

 彼の寝姿が3時間前と全く変わってないように見え、私はつい不吉な事を思ってしまった。

 そこで私は相原君の寝顔に自分の顔を近付け、耳を澄ました。すると、微かではあるけど、しっかりと規則正しい彼の寝息を聞き取る事ができ、私はホッと胸を撫で下ろした。


 それにしても相原君って、本当に綺麗な顔してるわあ。前からそう思ってはいたけど、間近で見てますますそう思った。例えは悪いかもしれないけど、マネキン人形みたい。

 髪の毛はふわふわしていて、髪質が良さそう。ちょっとだけ、触ってみようかな。

 私はそっと手を伸ばし、相原君の黒髪に手を触れた。

 柔らかいわ……

 思った通り、相原君の髪の毛はふさふさしていて、とても柔らかかった。と、その時、私はふとある事を思い出した。

 悠斗の髪質も、こんな感じだったかも……

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