委員長に胸キュン 〜訳あり男女の恋模様〜
「これも安眠剤?」

「そうよ」

「どうしてこれに変えるの?」

「それはね、今までの薬には副作用があるというか……」

「副作用?」

「厳密にはちょっと違うんだけど、今日、あなたが具合悪くなったのは、昨日薬を飲まなかったからなのよ?」

「えっ? そうなの?」

「たぶんだけどね。あの薬はよく効くんだけど、依存性が強過ぎるのよね。その点、この薬はそんな事ないから。ただね、体がこの薬に慣れるまではちょっと大変かもしれないの」

「大変って?」

「そうね……。頭がボーッとしたり、微熱が出たり、眠くなったりするかもしれないわ」

「そうなんだ……。母さんは、この薬を取りに行ってたの?」

「え? ち、違うわよ。私の患者の容態が良くないからって言ったでしょ? この薬はそのついでよ」

「ふーん……。その患者さんはもういいの?」

「え、ええ。落ち着いたわ」

「そっか。良かったね」


 母の態度がちょっと変だなと思ったけど、それよりも僕はこのタイミングである事を母に聞いてみようと思った。それは前から思っていた疑問で、今はますますその思いが強いのだけど……


「母さん。どうして僕は安眠剤を飲まないといけないのかな?」

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