委員長に胸キュン 〜訳あり男女の恋模様〜

「どうと言われても……」


　たぶん真琴さんは昨日の桐島さんとの事を言っているのだと思ったが、もし違ったら恥ずかしいので僕は言葉を濁した。


「どうでもいいけど座ったら？ ボーッと突っ立ってないでさ」

「う、うん……」


　僕は言われるままに真琴さんの向かいに腰を下ろした。それにしても真琴さんの僕に対する親しげというか馴れ馴れしいというか、この態度は何なんだろう。僕らは一昨日会ったばかりだというのに、まるで何年も前からの知り合いみたいだ。


「キスとかしたの？」

「えっ？」


　真琴さんのいきなりな直球に僕は度肝を抜かれた。そしてとっさに桐島さんとのそれを思い出し、顔がカッと熱くなってしまった。


「やっぱりしたんだ。で、どうだった？」

「い、いや、僕らは何も……」

「何か感じた？」

「いや、感じるも何も、僕らは何も……」


　なぜかしつこく聞いてくる真琴さんにシラを切る僕。実際、桐島さんとはキスをして抱き合いはしたけど、それを真琴さんに話す義務はないはずだし、僕らはそれほど仲が良いわけでもない。ましてや、感じたとか感じないとか、下ネタみたいな話を彼女とする気にはなれない。ところが……


「何か思い出さなかった？」