委員長に胸キュン 〜訳あり男女の恋模様〜
 30分後、ようやく頭痛が治まった。まるで時間を計ったかのように薬が効いたらしい。


「ごめん。待たせたね」

「ううん。頭痛は治まったの?」

「ああ、すっかりね」

「そう? でも、まだ完治してないみたいだから、無理はしない方が良さそうね?」

「それって、俺の頭の事か?」

「う、うん……」


 また知りたい謎がひとつ増えてしまった。それは、俺の頭に何かが起きたらしいという事だ。怪我か、あるいは病気か、どちらかはわからないが……


「わたし、帰るね」

「えっ?」

「じゃ……」

「ちょっと待て」


 早くも手提げ袋を持って立ち上がった真琴さんを、俺は慌てて呼び止めた。彼女からはこれから色々と聞き出そうとしてるのに、このタイミングで帰るって何だよ……


「ん?」

「話してくれよ。俺の過去とか、その他諸々を……」

「今度にした方が良くない? また頭痛がするかもよ?」

「薬を飲んだんで大丈夫さ。頼む」

「わかった」


 真琴さんは再び椅子に座り直した。嫌々と言うより、むしろ嬉しそうな顔をして。


「何から話そうかなあ。何を聞きたい?」

「順番は任せるよ。知りたい事が多すぎる」

「そうだよね。じゃあ、わたしとあなたの関係から言おうかな」

「お、おう」


 いきなりそれか……。さっき俺はある事を考えたのだが、もしそれが当たりだったらどうしよう。そう思ったら緊張したようで、ゴクッと俺の喉が鳴った。

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