委員長に胸キュン 〜訳あり男女の恋模様〜
「わたしはね……、あなたの元カノなの」


 うっ。やっぱりか……!

 俺の想像が当たっちまったらしい。こんな男女(おとこおんな)が、なんて言ったら失礼だが、俺の恋人だったなんて信じがたいが、真琴さんの俺に対する馴れ馴れしさや優しさ、そして俺に関する詳しさとかを考え合わせると、そう考えるのが妥当だと思う。


「なんてね」

「え?」

「嘘よ。そんなわけないじゃん」

「じゃあ、君は……?」

「妹よ。あなたの。ううん、お兄ちゃんの」

「妹?」


 それは、俺が全く想像していない答えだった。なるほど、真琴さんが俺の妹なら、俺に対しての馴れ馴れしさや詳しさの説明がつく。しかし……


「そんなバカな。だって、君と俺では苗字が違うじゃないか」


 そう。俺がその可能性を全く考えなかったのは、俺が相原姓で真琴さんが田村姓だからだ。


「今はね。でも、前はお兄ちゃんも“田村”だったのよ。田村悠斗だったの」

< 128 / 227 >

この作品をシェア

pagetop