委員長に胸キュン 〜訳あり男女の恋模様〜
他に客がいない事もあり、桐島さんはすぐに俺に気づき、近付いて来た。駅から走って来たらしく、肩で息をしていて、そんな彼女がいじらしい。
「ごめんなさい。待たせちゃって……」
「そんな事ないよ。お……いや、僕も今来たところだから」
うっかり“俺“と言いそうになった。気をつけなければ……
「この間は、ごめんなさい」
二人ともアイスコーヒーを注文し、店員が去ると、桐島さんは神妙な顔になってそう言った。実は桐島さんからメッセージをもらってから、どうして彼女は俺に会う気になったのかを考えていた。
例えばいつかのように、解けない数学の問題があるとか、そういう用事ではなさそうだ。もしそうなら、それをメッセージに書くはずだから。特に用事がないなら、単に俺に会いたいのだろうか。だとしたら、もちろん嬉しい事ではあるのだが……
ところが、どうやらそうではないような雰囲気だ。あるいはそういう事もあるかもしれないが、主な目的は違っていて、それはこの間の事、つまり俺の部屋でキスした事を謝るためらしい。
それは俺にとって、少しばかり予想外であった。
「ごめんなさい。待たせちゃって……」
「そんな事ないよ。お……いや、僕も今来たところだから」
うっかり“俺“と言いそうになった。気をつけなければ……
「この間は、ごめんなさい」
二人ともアイスコーヒーを注文し、店員が去ると、桐島さんは神妙な顔になってそう言った。実は桐島さんからメッセージをもらってから、どうして彼女は俺に会う気になったのかを考えていた。
例えばいつかのように、解けない数学の問題があるとか、そういう用事ではなさそうだ。もしそうなら、それをメッセージに書くはずだから。特に用事がないなら、単に俺に会いたいのだろうか。だとしたら、もちろん嬉しい事ではあるのだが……
ところが、どうやらそうではないような雰囲気だ。あるいはそういう事もあるかもしれないが、主な目的は違っていて、それはこの間の事、つまり俺の部屋でキスした事を謝るためらしい。
それは俺にとって、少しばかり予想外であった。