委員長に胸キュン 〜訳あり男女の恋模様〜
「それは……」
桐島さんは困惑した顔で目を泳がせ、もう少しで泣いてしまいそうだ。そんな彼女が憐れに思う一方で、もっと虐めたくもなってきた。前言撤回。
「遊びだったのかな」
「え?」
「その人、遊びで桐島さんと付き合ってたんじゃないかな?」
「違います!」
“遊び”という、自分で発していながら酷すぎと思うワードに、さすがの桐島さんも切れたらしい。キッパリ否定して、怖い顔で俺を睨んだ。涙で目を潤ませて。
「遊びじゃないなら、どうして別れたの?」
これについては、実は俺自身がどうしても知りたい事でもあった。たしか渡辺沙織さんは、桐島さんが男に捨てられた、みたいな事を言っていた気がする。もしそれが本当なら、俺は田村悠斗を許さない。
そうなのだ。田村悠斗が過去の自分だという事は、理屈では解っているつもりだ。しかし真琴のスマホに写っていた茶髪の男が、俺自身だとは思えないのだ。理屈ではなく。
つまり、あの茶髪男は、田村悠斗という名の俺とは別の、しかも大事な桐島さんを傷付けた憎らしい男。そう思えてならないのだ。
桐島さんは困惑した顔で目を泳がせ、もう少しで泣いてしまいそうだ。そんな彼女が憐れに思う一方で、もっと虐めたくもなってきた。前言撤回。
「遊びだったのかな」
「え?」
「その人、遊びで桐島さんと付き合ってたんじゃないかな?」
「違います!」
“遊び”という、自分で発していながら酷すぎと思うワードに、さすがの桐島さんも切れたらしい。キッパリ否定して、怖い顔で俺を睨んだ。涙で目を潤ませて。
「遊びじゃないなら、どうして別れたの?」
これについては、実は俺自身がどうしても知りたい事でもあった。たしか渡辺沙織さんは、桐島さんが男に捨てられた、みたいな事を言っていた気がする。もしそれが本当なら、俺は田村悠斗を許さない。
そうなのだ。田村悠斗が過去の自分だという事は、理屈では解っているつもりだ。しかし真琴のスマホに写っていた茶髪の男が、俺自身だとは思えないのだ。理屈ではなく。
つまり、あの茶髪男は、田村悠斗という名の俺とは別の、しかも大事な桐島さんを傷付けた憎らしい男。そう思えてならないのだ。