委員長に胸キュン 〜訳あり男女の恋模様〜
「ごめんなさい。待たせちゃって……」

「そんな事ないよ。お……いや、僕も今来たところだから」


 あれ? 相原君、今“お”って言ったよね。何を言い掛けたんだろう。それと、なんか今日の相原君、いつもと雰囲気が違うような気がする。気のせいかもしれないけど。


「走って来たの?」

「う、うん。遅れちゃったから……」

「僕のために走らなくていいからね。危ないから」

「……え? あ、はい」


 びっくりした。相原君ったら、悠斗と同じ事を言うんだもん。しかも同じ声で……

 “玲奈。俺のためなら走る事ないからな。危ねえから”

 やだ。また錯覚を起こしそう……


「……桐島さん」

「え?」

「何を飲みますか? 僕はアイスコーヒーにします」


 エプロンを着けた若い女性の店員さんが横に立ち、オーダーを待っていた。私ったら、ボーっとしていて気づかなかったみたい。


「わ、私もアイスコーヒーで……」

「かしこまりました。少々お待ちください」


 その店員さんがテーブルを離れる間際、一瞬だけど相原君に熱い視線を送った事に、私は気付いてしまった。相原君って、誰が見ても綺麗な顔してるからな……


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