委員長に胸キュン 〜訳あり男女の恋模様〜
「俺に何の用だ?」
「やめてってば。この人は阿部君よ?」
「阿部? ああ、そうか。すまない」
相原は俺の胸ぐらを放し、一応だが謝った。しかし、今の会話は何なんだよ……
「あの、何かのジョークでしょうか?」
俺はそう言って、二人の顔を交互に見た。
「阿部君、ごめんね。実は彼、記憶が……」
「ないんだよね?」
間髪を入れずに俺が返すと、相原も桐島さんも「えっ?」と言って固まった。
「阿部君は、相原君……痛っ」
なぜか相原は桐島さんの頭をコツンと叩いた。
「悠斗が記憶喪失だって事、知ってるの?」
「ああ、知ってるよ」
「どうして?」
「だって、こいつ本人から聞いたから」
「そうなの? じゃあ、前は田村悠斗だった事も?」
「あ、ああ」
実はそれを桐島さんの前で言っていいものか俺は迷ったが、彼女も知ってるなら問題なしだな。
「バイクに乗れば記憶が戻るかもしれない、ってこいつが言うから、俺のバイクを乗らしてやったんだ。それがかえってあだになっちまったけどな」
「ああ、そういう事だったのか……」
バイクの事を俺が話すと、相原はさも納得した、って感じだったが……なんで?
「悠斗は今度の事故でまた頭を打って、一年前までの記憶が戻ったんです。でも、その代わりにこの一年の記憶がなくなっちゃったんです」
「…………えっ?」
俺は心底びっくりした。確かに、それだと今日の相原の態度も、他人行儀なメールの返信も納得出来る。しかしそんなドラマか何かみたいな事、本当にあるんだなあ。
「やめてってば。この人は阿部君よ?」
「阿部? ああ、そうか。すまない」
相原は俺の胸ぐらを放し、一応だが謝った。しかし、今の会話は何なんだよ……
「あの、何かのジョークでしょうか?」
俺はそう言って、二人の顔を交互に見た。
「阿部君、ごめんね。実は彼、記憶が……」
「ないんだよね?」
間髪を入れずに俺が返すと、相原も桐島さんも「えっ?」と言って固まった。
「阿部君は、相原君……痛っ」
なぜか相原は桐島さんの頭をコツンと叩いた。
「悠斗が記憶喪失だって事、知ってるの?」
「ああ、知ってるよ」
「どうして?」
「だって、こいつ本人から聞いたから」
「そうなの? じゃあ、前は田村悠斗だった事も?」
「あ、ああ」
実はそれを桐島さんの前で言っていいものか俺は迷ったが、彼女も知ってるなら問題なしだな。
「バイクに乗れば記憶が戻るかもしれない、ってこいつが言うから、俺のバイクを乗らしてやったんだ。それがかえってあだになっちまったけどな」
「ああ、そういう事だったのか……」
バイクの事を俺が話すと、相原はさも納得した、って感じだったが……なんで?
「悠斗は今度の事故でまた頭を打って、一年前までの記憶が戻ったんです。でも、その代わりにこの一年の記憶がなくなっちゃったんです」
「…………えっ?」
俺は心底びっくりした。確かに、それだと今日の相原の態度も、他人行儀なメールの返信も納得出来る。しかしそんなドラマか何かみたいな事、本当にあるんだなあ。