委員長に胸キュン 〜訳あり男女の恋模様〜
 しかしどうでもいいが、俺たち3人はやたら注目を浴びた。いや、注目されてるのは相原と桐島さんであって、俺は脇役ってところかな。くそっ。


 相原も桐島さんも、元々はイケメンと美少女なんだが、今までは二人とも全く目立ってなかった。しかし今は、校舎へ向かう生徒たちの注目を一身に浴びている。“うちの学校に、あんなイケメン(可愛い子)いたっけ?”てなもんだろう。

 相原と桐島さんが注目を浴びる理由は、二人が手をつないで歩いているからだ。この学校は特別風紀に厳しいわけじゃないが、不思議とイチャイチャするカップルをあまり見かけない。この二人のようには。


「お二人さま。手をつなぐのはやめた方がよいかと。目立ってますよ?」

「そうだよ。みんなに見られて、恥ずかしいよ……」


 俺が遠慮がちにご意見を申し上げると、桐島さんもすかさず同調し、相原の手をほどこうとしたのだが……


「気にするな。俺はこうしようと決めてたんだ。行きも帰りも、常に手をつなぐ。俺としては、腕を組むでもいいけどな」

「そんな……」

「おまえに拒否権はない」

「わかった……」


 ヒュー。相原ってすげえ俺様なんだなあ。そして桐島さんも従順で、なんか、うらやましいかも。真夏に戻ったみたいに熱いのは困るけどな。

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