委員長に胸キュン 〜訳あり男女の恋模様〜
 すると、


「相原……」

「相原君……」


 二人からジトーッとした目で睨まれてしまった。


「沙織じゃねえけど、しっかりしろよな、相原。おまえは今日、大胆にもクラス全員の前で委員長に告白したんだぞ?」

「こ、告白だなんて、そんなあ……」

「確かにおまえはそのつもりじゃなかったし、はっきり口に出したわけでもない。しかしだ、みんなはそう受け取ったし、当の委員長だってそう思ってる可能性が高い。つまりだ、委員長の恋人候補として、おまえは誰よりも近い所にいるわけよ。解るよな?」

「う、うん、解るよ。でも……」

「でも、何だよ?」

「母が……」


 母から、来春の受験が終わるまでは彼女を作ったりはダメだって、言われたばかりなわけで……


「ハハ?」

「な、何でもない。でも……」


 さすがにそれを言うとマザコンって言われそうで言えない。でもなあ……


「おまえ、委員長が嫌いか?」

「そんな事はないけど……」


 そう。桐島さんへの気持ちが自分でもよく分からないんだ。あの雨の日に会った桐島さんなら間違いなく僕は好きだ。でも、委員長としての彼女はどうなんだろう。決して嫌いではないけど、好きとも言えないような……

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