委員長に胸キュン 〜訳あり男女の恋模様〜
 午後の英語の授業が終わった。午前同様、午後もみっちりかつ長時間で、頭がボーッとするほど疲れてしまった。でも、僕にはぜひもうひと頑張りしたい事がある。


「桐島さん、一緒に帰っていいですか?」


そう、この事だ。

 桐島さんの住所は当然ながら知らないのだが、おそらく学校からそう遠くはないと思われ、だとすると帰る方向は僕と同じはず。だから、僕達が一緒に帰っても何ら不自然ではない、と思うんだけど……


 桐島さんは僕の顔をジッと見て、何かを考えてるようだった。あるいは迷っているような……

 でも、それはほんの数秒の事で、


「いいわよ」


と言ってくれた。もちろん、僕はにやけてしまいそうなほど嬉しく、それを堪えるのが大変だったけども。


 二人で並んで歩きながら塾の建物を出た。外はまだ十分過ぎるほどに暑いけれども、陽はだいぶ西に傾いていた。

 さて、何を話そうかなと思っていたら、


「相原君……」


 意外にも桐島さんの方から話し掛けてくれた。

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