委員長に胸キュン 〜訳あり男女の恋模様〜
「はい」

「あの問題、どうやって解いたの?」

「“あの問題”って……?」

「数学の問題よ。何年か前の東大の入試問題。先生に言われてあなたが解いたやつ」

「ああ、あれですか……」

「先生ったら、頭に来たのかろくに解説してくれなくて、今だによく解らなくて気持ち悪いの。だから、教えてくれない?」

「ああ、それはですね……」


 と説明しかけて僕はハタと考えた。これはもしかすると、桐島さんと寄り道をする絶好のチャンスではないかと……


「もちろんいいですけど、結構込み入ってるんですよね。どこかで座って、フラッペでも食べながら話しませんか?」

「フラッペ?」

「かき氷です」

「知ってるわよ、それくらい」

「す、すみません」

「そうね……」


 桐島さんは迷ってるようなので、「僕の奢りで」と付け加えた。


「わかった。そうしましょ? ただし割り勘ね?」

「あ、はい」


やったあ!

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