委員長に胸キュン 〜訳あり男女の恋模様〜

「母さん、いよいよ明日だね？」

「そうね……」


　母は明日から夏休みを取っていて、僕らは避暑地の別荘へ行く事になっている。

　その別荘のオーナーは、母の知り合いで田村さんという人らしい。明日、その人が車で迎えに来てくれるのだけど、その人は娘さんを連れて来て、僕らを加えた４人で一緒に行くらしい。


「悠斗は受験を控えてるのに、いいのかしら。やっぱり中止しようか？」

「え？ いいよ、行こうよ？ 勉強はちゃんとやってるからさ、たまには息抜きが必要だよ。母さんだって、涼しい所でゆっくり体を休めた方がいいって。ずっと働きづめなんだからさ」

「私は家でゴロゴロしてた方が休まるわ」

「そんな事言わないでさ……。第一、せっかく誘ってくれた田村さんに悪いよ」

「そうなんだけどね……」


　僕は別荘行きをかなり楽しみにしてるけど、母はそれほどでもないらしい。よほど疲れているのだろうか……