委員長に胸キュン 〜訳あり男女の恋模様〜
　それはもちろん桐島さんからのメールで、開いてみると……


『旅行ですか？ いいなぁ。では、帰ってからでいいです。おじゃましました』


　という内容だった。

うーん、これはどう解釈すべきだろうか……

遠慮したのかな？
あるいは、僕と会わなくては意味がない、とか？

まさかな。普通に考えれば前者だろう。うん、きっとそうだ。でも……後者の可能性もあるんじゃないか？

つまり、桐島さんも僕に会いたいと思ってる、とか……
いやいや、やっぱりそれはないな。


　などと携帯と睨めっこしながらあれこれ考えていたら、


「なんだ。彼女いるんじゃん」


　突然耳元で声がし、驚いて横を向くと、真琴さんの顔がすぐ目の前にあった。いつの間にか彼女は僕の背後に近付き、僕の携帯を覗き見していたらしい。そして、


「なんて名前？」

「ちょ、ちょっと……」


　真琴さんに、僕の手ごと携帯をガシッと掴まれてしまった。

　今更遅いかもしれないが、僕は慌てて桐島さんのメールを閉じた。しかしそれはむしろ失敗で、そうする事で送信者の登録名が表示される事になり……


「桐島……玲奈さん？」


あちゃー。真琴さんに知られてしまった。

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