委員長に胸キュン 〜訳あり男女の恋模様〜
と言っても、田村という苗字はちっとも珍しくなく、たとえ桐島さんの元カレが田村姓だとしても、単なる偶然の可能性が高い。っていうか、間違いなくそうだろう。
とは思うけれども、気になるのはどうしようもない。万が一という事もある。という事で、僕はそれを確かめてみる事にした。
「あの、真琴さん、ちょっと聞きたいんだけどさ……」
「なに?」
「真琴さんってさ、お兄さんいる? 僕より一つ上の。あるいは従兄弟とかにいないかな?」
軽い調子でそう聞いてみた。重い調子で聞く事でもないし。当然ながら、すぐに答えが返って来ると思った。“いるよ”とか、“いないよ”とか。もしいたら、ビックリだけど。
ところが、真琴さんはハッと息を飲んだ感じで目を大きく見開き、その目で僕の顔を凝視した。もしかして、僕は聞いてはいけない事を聞いてしまったのだろうか……
「ど、どうしてそんな事聞くの?」
「え? どうしてって……た、大した意味はないんです。いや、全然意味ないです。今のは忘れてください」
真琴さんの、とても尋常とは思えない反応の訳を僕なりに解釈し、この話題をやめようと僕は考えた。その訳とは……おそらく真琴さんにはお兄さんがいたが、亡くなってしまって今はいない、という事。
少し違うかもしれないが、いずれにしても真琴さんにとっては触れてほしくない話題なのだと思う。
ところが……
とは思うけれども、気になるのはどうしようもない。万が一という事もある。という事で、僕はそれを確かめてみる事にした。
「あの、真琴さん、ちょっと聞きたいんだけどさ……」
「なに?」
「真琴さんってさ、お兄さんいる? 僕より一つ上の。あるいは従兄弟とかにいないかな?」
軽い調子でそう聞いてみた。重い調子で聞く事でもないし。当然ながら、すぐに答えが返って来ると思った。“いるよ”とか、“いないよ”とか。もしいたら、ビックリだけど。
ところが、真琴さんはハッと息を飲んだ感じで目を大きく見開き、その目で僕の顔を凝視した。もしかして、僕は聞いてはいけない事を聞いてしまったのだろうか……
「ど、どうしてそんな事聞くの?」
「え? どうしてって……た、大した意味はないんです。いや、全然意味ないです。今のは忘れてください」
真琴さんの、とても尋常とは思えない反応の訳を僕なりに解釈し、この話題をやめようと僕は考えた。その訳とは……おそらく真琴さんにはお兄さんがいたが、亡くなってしまって今はいない、という事。
少し違うかもしれないが、いずれにしても真琴さんにとっては触れてほしくない話題なのだと思う。
ところが……