委員長に胸キュン 〜訳あり男女の恋模様〜
「意味ないなんて、嘘でしょ? ねえ、どうして?」
意外にも真琴さんはなおも食いついて来た。この話題は避けた方がいいと思ったのは、僕の思い違いなんだろうか。
だとしたら、どうして真琴さんはすんなり答えてくれないのだろう。お兄さんがいるかいないかなんて、簡単に答えられるはずなのに。それに、質問の理由をやけに知りたがるのも不思議だ。どっちが質問したのか分からなくなる。
とは言え、真琴さんに理由を言うのは全然構わない。ただ、さっきから母が僕らの会話に耳を傾けてるような気がしてそれが気になる。桐島さんの事は、できれば母に聞かれたくないからだ。
そこで僕は、あからさまにならない程度に真琴さんの耳元に顔を近付け、極力小さい声で言った。
「桐島さんの元カレの苗字が、田村さんもしくは田中さんなんです」
すると真琴さんは、
「……ああ、そういう事ね……」
と、なぜかつまらなそうに言った。だったら、どういう理由なら面白かったのかと聞きたかったが、それはやめた。そして真琴さんは、
「兄はいないよ。従兄弟にも、それらしい男はいないな」
と、やはりつまらなさそうに答えたのだった。
意外にも真琴さんはなおも食いついて来た。この話題は避けた方がいいと思ったのは、僕の思い違いなんだろうか。
だとしたら、どうして真琴さんはすんなり答えてくれないのだろう。お兄さんがいるかいないかなんて、簡単に答えられるはずなのに。それに、質問の理由をやけに知りたがるのも不思議だ。どっちが質問したのか分からなくなる。
とは言え、真琴さんに理由を言うのは全然構わない。ただ、さっきから母が僕らの会話に耳を傾けてるような気がしてそれが気になる。桐島さんの事は、できれば母に聞かれたくないからだ。
そこで僕は、あからさまにならない程度に真琴さんの耳元に顔を近付け、極力小さい声で言った。
「桐島さんの元カレの苗字が、田村さんもしくは田中さんなんです」
すると真琴さんは、
「……ああ、そういう事ね……」
と、なぜかつまらなそうに言った。だったら、どういう理由なら面白かったのかと聞きたかったが、それはやめた。そして真琴さんは、
「兄はいないよ。従兄弟にも、それらしい男はいないな」
と、やはりつまらなさそうに答えたのだった。