委員長に胸キュン 〜訳あり男女の恋模様〜
「ダメじゃない。眠れなかったらどうするの?」

「ん……疲れてるから、薬に頼らなくても眠れると思うよ」

「そうかしら? 興奮して眠れないんじゃないの?」

「そうかなあ……」


 言われてみれば、確かにそうかもしれないなと思った。


「いいわ。私が寝かしつけてあげる」

「え? いいよ……」

「遠慮しないの。前はよくそうしたでしょ?」

「そうだけど……」


 確かにそうだ。最近はしてもらってないけど、前はよく母に寝かしつけてもらっていた。


「じゃあ横になって、目をつぶって?」

「うん……」


 横になって目をつぶり、耳元で母に囁いてもらうと、不思議とすぐ眠くなるんだ。


「ゴルフ場の芝が綺麗だったわね?」

「うん……」

「想像してみて? あそこに寝そべったら、さぞや気持ちいいでしょうね? 風は爽やかで、眠くて眠くて我慢できないでしょ?」

「うん、そうだね。とても眠いよ」

「いいのよ、眠りなさい。深く、深ーく……」

「ん…………」


 僕はあっという間に、深い眠りへと落ちて行った。

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