委員長に胸キュン 〜訳あり男女の恋模様〜
 翌朝、僕はいつになくスッキリとした朝を迎えた。


 普段の朝は、目が覚めても頭がボーッとしてとても気だるく、体を起こす事すら大儀なのだけど、今朝は全くそんな感じはなく、元気一杯だ。昨夜はいつもより早く寝たおかげで、睡眠が十分だからだと思う。


 ベッドからストンと床に降り、階段を軽快に下りて行くと、田村さんがいた。首にタオルを引っ掛けているから、たぶん洗顔が終わったところだろう。


「おはようございます!」

「おお、おはよう。朝からテンション高いな?」

「そうですか? 自分でも不思議なんですが、今日は調子いいんですよ。ところで、今日はどこへ行く予定ですか? またパターゴルフするなら、今日は田村さんに負けませんよ!」


 昨日のパターゴルフでは、田村さんが1位で僕は2位だった。


「それなんだけどね……」

「あ、そうだ。顔を洗ったら表を散歩しようかな。田村さんもどうですか?」


 避暑地の朝の林道を歩いたら、さぞや気持ちが良いと思う。我ながらグッドなアイデアだと思ったのだが……


「いや、その時間はない」

「はい?」

「実はね、急遽帰る事になったんだよ」

< 65 / 227 >

この作品をシェア

pagetop