委員長に胸キュン 〜訳あり男女の恋模様〜
「き、桐島さん?」
僕は思わず膝立ちになり、桐島さんの華奢な肩に手を触れた。桐島さんが泣くほど悲しくなるような事を、僕はしてしまったのだろうか。何も思い当たらないのだけど……
「“玲奈”って呼んでよ!」
すると桐島さんは、怒った感じでそう叫んだ。なんだか解からないけど、そう言われたらそう言うしかないわけで……
「れ、玲奈。どうして……」
“泣いているの?”と続けようとしたのだが、
「悠斗!」
と桐島さんは小さく叫び、僕に抱き着いてきた。
「き……じゃなかった、玲奈?」
「どうして私を置いて行っちゃったの? ねえ、どうして?」
「…………」
と言われても僕には何の事かわからず、返す言葉はなかった。桐島さんは、ドラマか何かに気持ちが入り込んでしまったのかもしれない。
「悠斗の嘘つき! “一生一緒にいような?”って言ったくせに……」
「…………」
「私を愛してるって言ったのも、嘘だったの?」
桐島さんは僕の胸に顔を埋め、泣きながらいろんな事を言った。もちろん僕とは無関係な話ではあるけれど、“悠斗”と呼ばれるたびに僕はドキドキし、そして……スイッチが入ってしまった。
「玲奈!」
僕はそう叫ぶと、桐島さんを床に押し倒した。
「ゆ、悠斗?」
涙で濡れた目で、僕をぼんやりと見つめる桐島さん。僕の中では、“やめろ。そんな事をしちゃだめだ”と、理性の声が言っていた。しかし僕は、その声を無視することにした。
「玲奈……愛してるよ」
僕はゆっくりと桐島さんの顔に自分の顔を近付けていった。そして、桐島さんが静かに目を閉じるのを見て、僕は彼女の薄く開いた愛らしい唇に、自分のそれをそっと重ねていった……
僕は思わず膝立ちになり、桐島さんの華奢な肩に手を触れた。桐島さんが泣くほど悲しくなるような事を、僕はしてしまったのだろうか。何も思い当たらないのだけど……
「“玲奈”って呼んでよ!」
すると桐島さんは、怒った感じでそう叫んだ。なんだか解からないけど、そう言われたらそう言うしかないわけで……
「れ、玲奈。どうして……」
“泣いているの?”と続けようとしたのだが、
「悠斗!」
と桐島さんは小さく叫び、僕に抱き着いてきた。
「き……じゃなかった、玲奈?」
「どうして私を置いて行っちゃったの? ねえ、どうして?」
「…………」
と言われても僕には何の事かわからず、返す言葉はなかった。桐島さんは、ドラマか何かに気持ちが入り込んでしまったのかもしれない。
「悠斗の嘘つき! “一生一緒にいような?”って言ったくせに……」
「…………」
「私を愛してるって言ったのも、嘘だったの?」
桐島さんは僕の胸に顔を埋め、泣きながらいろんな事を言った。もちろん僕とは無関係な話ではあるけれど、“悠斗”と呼ばれるたびに僕はドキドキし、そして……スイッチが入ってしまった。
「玲奈!」
僕はそう叫ぶと、桐島さんを床に押し倒した。
「ゆ、悠斗?」
涙で濡れた目で、僕をぼんやりと見つめる桐島さん。僕の中では、“やめろ。そんな事をしちゃだめだ”と、理性の声が言っていた。しかし僕は、その声を無視することにした。
「玲奈……愛してるよ」
僕はゆっくりと桐島さんの顔に自分の顔を近付けていった。そして、桐島さんが静かに目を閉じるのを見て、僕は彼女の薄く開いた愛らしい唇に、自分のそれをそっと重ねていった……