委員長に胸キュン 〜訳あり男女の恋模様〜
 付き合ってみて、私は悠斗をどんどん好きになった。彼の俺様なところも、優しいところも、少しエッチなところも、全部好きだった。


 彼は大きなバイクに乗っていて、私はよく後ろに乗せてもらって色々な所に連れて行ってもらった。

 悠斗は自称“東高唯一の不良”だそうで、学校にバイクで通っていた。その帰りに私の学校まで迎えに来たりして、たちまち私は学校で噂になってしまった。

“他校の不良と付き合う不埒な女”

 きっとそんな言われ方をしてたと思う。でも私は気にしなかった。元々無口で友達が少なく、話し相手は同級生の渡辺沙織さんぐらいだったから。

 その沙織さんは、ずいぶん私のことを心配し、忠告めいた事も言ってくれたけど、私はいつも笑って聞き流していた。今にして思えば、もう少し沙織さんの言葉に耳を傾けた方が良かったのかもしれない。


 悠斗と付き合い始めて10ヶ月目。つまり去年の7月のある日。学校の帰りに突然私の体に異変が起きた。それは、ある意味身に覚えがある事ではあったのだけど。

 私は、真っ先に携帯のメールで悠斗に助けを求めた。ところが、悠斗は来なかった。来てくれなかった。私が最も彼を必要とした時、彼は側にいてくれなかった……


 その後も、悠斗はただの一度も私に会ってくれず、そのまま外国へ留学してしまった。

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