委員長に胸キュン 〜訳あり男女の恋模様〜
 でも、あの問題の解き方が解らないままじゃ気持ち悪いし、込み入ってるなら仕方ないよね?

 解き方を聞いて、お茶を飲んだらさっさと帰ればいいんだわ。

 という事で、私はオッケーした。相原君は奢ると言ったけど、それは断って割り勘にするつもり。私達は付き合ってるわけじゃないし、私からお願いしたのだから当然だけども。


 私達は駅前の喫茶店に入った。喫茶店に入ったのは、ずいぶん久しぶりだと思う。いつ以来だろう、と思ってすぐに思い出した。一年前だ。悠斗と入ったのが最後だったんだ……


「どのフラッペにしましょうかね?」


 窓際の席に座ると、相原君はメニューを見ながらそう言った。しかも楽しそうに。


「フラッペ限定なの? 私、フラッペってあまり好きじゃない。頭が痛くなるから」

「そんな事ないです。何でもいいと思います。フラッペは、たまたまこのあいだ友達と食べたので……」

「友達?」

「はい。阿部君と渡辺さんです」

「渡辺さんって……沙織さん?」

「あ、はい」

「相原君は沙織さんと友達なの?」

「えっと、はい。正確には友達の友達、ですかね。友達の阿部君が渡辺さんと仲がいいんです」

「そうなんだ……」


 という事は、相原君は私と悠斗の事を沙織さんから聞く可能性があるって事ね。あるいは、もう聞いているのかも……

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