委員長に胸キュン 〜訳あり男女の恋模様〜

「ふーん、あいつとは正反対な男なんだな」


　私が相原君の事を簡単に言うと、貴志は開口一番そう言った。


「そうかなあ」

「そうだろ？ だって、その相原って奴は真面目で大人しいんだろ？ 田村って奴とは正反対じゃん」

「うん……」


　そうなるか……。確かにその点はそうかもしれないけど、二人には共通点も多く、私には“正反対”とまでは思えなかった。もっとも、共通点についてはわざと貴志に言わなかったわけで、つまり貴志にそういう印象を与えたのは、他ならぬ私自身なのだった。


「ま、面白みには欠けるけど、いいんじゃないか？ 姉貴がそれでいいんだったら……」

「何言ってんのよ。彼とはまだそんなんじゃ……」

「“まだ”って事は、そうなりたいと姉貴は思ってるわけだろ？ 同じじゃん」

「う……」

「そうめん、よろしく」

「もう……。お母さんやお父さんには絶対に言わないでよ？」

「わかってるって」


　全てを知らない貴志とは、こんな話ができたけど、両親とは無理だ。両親は、一年経った今でも、腫れ物に手を触れるかのように私と接している。そして、監視していると思う。私が再び恋人を作らないように……

　でも、私は両親の気持ちは十分理解できる。もし私が将来娘を持ち、その娘があんな事になったとしたら、私だって……